ペロー童話集
 |
ペロー童話集
人気ランキング : 120717位
定価 : ¥ 672
販売元 : 岩波書店
発売日 : 2003-10 |
価格:¥ 672
納期:通常24時間以内に発送 |
 |
馴染みやすい訳文と素敵な挿絵。「訳者あとがき」も読みごたえあります。 |
天沢退二郎氏の訳ってところに興味を持ち、本書を手にとって読んでみました。
「眠りの森の美女」「赤頭巾ちゃん」「青ひげ」「長靴をはいた猫」「妖精たち」「サンドリヨン または小さなガラスの靴」「巻き毛のリケ」「おやゆび小僧」「ロバの皮」「おろかな願い」のひいふうみいよお、全部で十の話が収められています。
癖のない、馴染みやすい訳文。読み手に親しく語りかけるような文章の味わいがいいですね。
さらに、日本のある詩人の童話のことから語り出される「訳者あとがき」。
ペロー童話が基本的に「民話」「説話」であることや、各作品におけるグリム童話との比較などが分かりやすく語られていて、読みごたえがありました。
ペロー童話から約百年後に書かれることになるグリム童話と比べると、奥深い森の魔法が働いている、そうした闇の濃さを感じるグリム童話に対して、ペロー童話は機知の利いた、明るく華やかな風味があるかなあと。
音楽で言えば、農民が踊るポルカの趣があるグリム童話、宮廷で奏されるマドリガルの風情があるペロー童話と、そんな感じ。
天沢退二郎氏の夫人、マリ林(まりりん)さんが描いた挿絵も素敵ですね。「marie」と署名が入った挿絵が、天沢氏の訳文と息の合ったハーモニーを奏でているみたいで。欲を言えばキリがありませんけれど、表紙カバーのように色のついたもので、すべての挿絵を見てみたいなあと思いました。
 |
21世紀のペロー童話集の誕生 |
ペローは、ついに日本で最良の翻訳者に出会ったようです。やさしく読みやすい童話集になりました。「おろかな願い」だけでも、音読してみてください。テニヲハのひとつにも、こまやかな神経のかよった、訳文であることがわかります。マリ林さんの挿し絵は、「長靴をはいた猫」の知恵と誇り。「サンドリヨン」の魔法にかかった時間を、はっきりと描きあげています。「もう一歩深く進み出た詩の領分のもの」である作品集です。この書物で、初めてペローに出会う子供たちは、「賢さ」とは何かを学ぶことでしょう。